ローガンお裁縫教室

自分好みの布小物制作や古着のリメイクをしてみたい。老眼ですけど。

北風ボレアース

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刑事ドラマの世界において、取調べ中に振舞うカツ丼はある種の切り札的存在です。

「おい、腹が減っただろ。」

などと、ぶっきらぼうな台詞と共に刑事さんが丼の蓋を開けた瞬間、揚げたてトンカツがフワッフワの卵でとじられたあの状態に出くわす訳ですから、そりゃあ頑なにダンマリを決め込んでいた容疑者も思わず口を割ってしまうというもの。

しかし、そんな荒野に咲いた一輪の花チックな優しさは自白の誘発行為に該当し、実際の現場では一切禁止されているそうです。まぁ、カツ丼ごときと言っては失礼でしょうが、そんな程度で良心の呵責に苛まれた挙句、折角の黙秘権を放棄するようでは悪人が廃ります。だったら、なぜ警察の御厄介となる以前に気付かなかったのだ!という不平不満を抱き続けておりましたので、作り話と伺ってチョッピリ納得したような、少しガッカリしたような。でも、人間味に溢れ、ポカポカと心温るお話。

続きまして、何も決まらない会議という名の無駄な時間中に起きた出来事について。

「今日は、特別だからな。」

などと、ぶっきらぼうな台詞と共に社長が用意した重箱を開けた瞬間、いかにもトローリふっくら焼きあがったウナギが鎮座しているあの状態を見せつけられました。

まるでお通夜の様にダンマリを決め込みながらの会食は何とかやり過ごしましたが、結局我々にいったい何を自供して欲しかったのかは最後まで闇に葬られたまま。

目の前に差し出された不意の御馳走は、必ずしも良い結果を生むとは限らない。

長いものには決して巻かれないと言い切れる私では御座いませんが、正直今日はカツ丼の気分だったのかもしれません。これでもかと言わんばかりに贅を尽くした力業であっても、屈するどころか却って心を閉ざしてしまうこともあるのです。

疑わしき税別2,800円ではなく、納得できる税込537円を御一緒したかったのに。